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パーム油に関する基本情報


パーム油の原料となるアブラヤシ(英名:Oil Palm、学名:Elaeis guineensis)は、大豆や菜種といった他の植物油に比べ、生長が速く年間を通じて収穫できるため生産性が非常に高いことに加え、マレーシアのボルネオ島やスマトラ島など新規開拓に適した土地に広まったことから、その生産量は近年急速に伸びてきました。また、価格も安いことから、現在世界で最も多く消費されている植物油となっています。

1960年にマレーシア政府は世界銀行の支援を受け、アブラヤシ農園開発に着手しました。1980年代以降はインドネシアでも急速にアブラヤシ農園が広がってきており、2006年にはインドネシアがマレーシアを追い抜き、世界一の生産国となりました。現在では世界のパーム油生産の約85%をこのインドネシアとマレーシアが支えている状況にあります。

アブラヤシの実(果房)は収穫後24時間以内に搾油工場へ運ばなければ品質が落ちてしまうため、搾油工場は農園から近い場所に併設する必要があります。さらに搾油工場を24時間体制で効率的に操業させるためには、最低でも3,000ヘクタールというまとまった面積のアブラヤシ農園が必要だと言われています。このようにアブラヤシの大量生産は必然的に大規模な農園開発を伴うため、熱帯林の減少や泥炭湿地林の破壊といった環境問題を招いています。

木材を得るための伐採である場合、伐採後の森林は時間が経てば再生していきますが、アブラヤシ農園を造成する場合は森林を皆伐するため、そこにあった生態系はすべて失われてしまいます。最近の研究によれば、インドネシアとマレーシアで1990年以降に造成されたアブラヤシ農園の約半分は森林を農地転換したものだと言われています。また、地域住民との土地利用問題、アブラヤシ農園で働く労働者の人権問題なども数多く報告されています。

こうした問題を解決するため、2004年に「持続可能なパーム油のための円卓会議(Roundtable on Sustainable Palm Oil:RSPO)」がパーム油生産に関わるすべてのステークホルダーの参加のもとで設立されました。RSPOでは持続可能な生産の指標となる原則と基準(P&C)を定め、生産を担っている農園や搾油工場、また加工・流通過程における認証システムを構築しています。

このような動きと並行して、改定版P&Cに従うだけでは問題解決に向けまだ不十分との考えから、NGOを中心に「パーム油革新グループ(POIG)」が組織されており、より先進的なPOIGの方針に賛同する企業も見られます。